台所から聞こえる「ポタ、ポタ」という蛇口からの水滴音。最初は気にも留めなかったその音が、次第に神経に障るようになってきた経験はないでしょうか。この小さな音は、実はあなたの住まいが発している重要な警告サインかもしれません。たかが水滴と侮って放置すると、後々思わぬ出費や手間につながる可能性があります。まず直接的な影響として考えられるのが、水道料金の増加です。一滴一滴は微量でも、一日、一週間、一ヶ月と積み重なれば、決して無視できない量の水が無駄になります。しかし、問題はそれだけではありません。常に蛇口周りやシンクが湿っている状態は、水垢や黒カビが繁殖する絶好の環境を作り出します。衛生面で問題があるだけでなく、一度こびりついた汚れを落とすのは大変な労力が必要です。さらに深刻なのは、水漏れがシンク下のキャビネットにまで及んだ場合です。木製のキャビネットは湿気に弱く、カビが生えたり、最悪の場合は腐食してしまったりすることもあります。こうなると、蛇口の修理だけでなく、キッチンのリフォームが必要になる可能性すら出てくるのです。ポタポタ水漏れの主な原因は、蛇口内部にあるゴム製の部品「パッキン」の劣化です。長年の使用で弾力性が失われ、隙間から水が漏れ出します。このパッキンはホームセンターなどで数百円で購入でき、交換作業自体もそれほど難しくはありません。ただし、作業前には必ずシンク下の止水栓を閉めること、そして自分の蛇口に合った正しいサイズのパッキンを用意することが絶対条件です。もし作業に自信がない場合や、レバー式の混合水栓のように構造が複雑な場合は、無理をせずに専門の水道業者に依頼するのが賢明です。あの不快なポタポタ音は、単なる騒音ではなく、より大きなトラブルへの序曲です。気づいたその時が、最も簡単かつ安価に対処できるタイミングだと考え、早めのアクションを心がけましょう。
そのポタポタ音放置すると後悔するかも