トイレの水が少しずつ流れる状態になった時、もしかしたら時間が経てば自然に解消されるのではないかと期待する人もいるかもしれません。この期待は、つまりの原因によっては正しい場合もあります。例えば、つまりの原因がトイレットペーパーや排泄物といった、本来水に溶けるべきものである場合です。これらの物質は、排水管内で留まっていたとしても、時間と共に水にふやけて少しずつ溶けていきます。特に、一度に大量のペーパーを流してしまった直後など、原因がはっきりしている軽度のつまりであれば、数時間から半日ほど放置しておくことで、自然に水の通り道が確保され、元通りに流れるようになることがあります。この時、焦って何度も水を流さないことが肝心です。水位が下がらないうちに追加で水を流すと、便器から水が溢れてしまう二次災害につながりかねません。しかし、この自然治癒に期待できるのは、あくまで原因が水溶性の場合に限られます。スマートフォンや子供のおもちゃ、ボールペンなどの固形物、あるいは水に溶けないティッシュペーパー、お掃除シートなどを誤って流してしまった場合は、いくら時間を置いても状況は改善しません。むしろ、そこに後から流れてきたトイレットペーパーなどが絡みつき、さらに頑固なつまりへと発展する恐れがあります。自分の行動を振り返り、水に溶けないものを流した心当たりがないかを確認することが重要です。原因が不明な場合や、数時間待っても全く改善の兆しが見られない場合は、自然に直る可能性は低いと判断し、次の対策を考えるべきでしょう。