キッチンから聞こえる「ポタ、ポタ」という蛇口からの水滴の音。はじめは些細なことと感じるかもしれませんが、この小さなサインを放置してはいけません。絶え間なく滴り落ちる水は、月単位で見れば水道代に影響を与えるだけでなく、シンク周りを常に湿らせ、水垢や黒カビが発生する原因となります。さらに、水滴がキャビネットにまで達すれば、木材を腐食させ、より大きな修理が必要になる可能性もあります。しかし、このポタポタ水漏れの多くは、原因を正しく理解すれば、自分で解決できる場合も少なくありません。 水漏れの最も一般的な原因は、蛇口の内部にあるゴム製の部品、通称「パッキン」の経年劣化です。パッキンは水の流れをしっかりとせき止めるための重要なパーツですが、長年の使用で弾力性を失い、硬化したりひび割れたりします。すると、そのわずかな隙間から水が漏れ出してしまうのです。特に、ハンドルをひねって水を出すタイプの蛇口では、このパッキンの劣化が水漏れの主犯であることがほとんどです。また、一本のレバーで水量と温度を調節するシングルレバー混合水栓の場合は、内部の「バルブカートリッジ」という部品の故障が原因であることが多いです。 もし自分で修理に挑戦するなら、何よりも先に、シンクの下にある止水栓を必ず閉めてください。これを忘れて作業を始めると、部品を外した瞬間に水が噴き出し、キッチンが水浸しになる大惨事を招きます。止水栓を閉めたことを確認したら、蛇口のハンドル部分などを工具で分解し、古いパッキンを取り出して新しいものに交換します。パッキンはホームセンターで手軽に購入できますが、蛇口のメーカーや型番によってサイズが異なるため、取り外した古いパッキンを現物として持参し、同じものを買うのが確実です。 これらの作業に少しでも不安を感じる場合や、部品を交換しても水漏れが直らない場合は、無理せず専門の水道業者に依頼するのが賢明です。気になるポタポタ音は、蛇口が発する交換のサイン。早めに対処することで、余計な出費や手間を防ぎましょう。
キッチンのポタポタ音は放置しないで