あれは数年前の、記録的な寒波が日本列島を襲った夜のことでした。外の気温は氷点下を下回り、家の中にいても冷気が忍び寄ってくるような厳しい寒さでした。私は一刻も早く温かいシャワーを浴びて布団に入りたい一心で浴室へと駆け込みました。最初は心地よい温度のお湯が出ていたのですが、髪を洗っている最中に突然、背筋が凍るような冷水へと変わったのです。予期せぬ衝撃に声を上げ、慌てて蛇口を閉めましたが、体はすでに冷え切ってしまいました。タオルで急いで水分を拭き取り、浴室を出てリモコンを確認すると、そこには見たこともないエラー番号が虚しく点滅していました。これが噂に聞く給湯器の故障かと絶望的な気持ちになりつつも、私は震える手でスマートフォンの画面を叩いて原因を調べ始めました。検索の結果、どうやら給湯器の吸気口や排気口が塞がれていることで安全装置が働いた可能性があることが分かりました。思い返せば、その日の午後に届いた大きな段ボール箱を、一時的な置き場所として屋外の給湯器のすぐ前に積み上げてしまっていたのです。急いで外へ飛び出し、凍える手で重い荷物を移動させました。給湯器は酸素を吸い込んでガスを燃焼させるため、排気がスムーズにいかなくなると不完全燃焼を防ぐために運転を強制停止させる仕組みになっています。荷物をどかした後、リモコンの電源を一度切り、祈るような気持ちで再びオンにしました。すると、カチカチという懐かしい点火音が聞こえ、再びお湯が出るようになったのです。お湯が出るという当たり前の日常が、これほどまでに有り難く、生活の根幹を支えているものだとは思いもしませんでした。もしあのまま原因を突き止められず、真冬に冷水で震え続けていたら、翌朝には確実に体調を崩していたに違いありません。今回の経験で学んだのは、給湯器も私たちと同じように呼吸をしている機械だということです。周囲を常に清潔に保ち、空気の流れを妨げないという基本的なメンテナンスが、快適なバスタイムを守るためにいかに重要であるかを痛感した出来事でした。それ以来、私は定期的に屋外の給湯器周りをチェックすることを習慣にしています。
真冬の深夜にシャワーが冷水に変わった私の体験記